『伝統の創造力』といふ本は、ある意味で全く無内容な本です。現代日本には、時間的な縦軸で継承発展される「活きた傳統」が存在しない…といふ悲観的な前提に立って、過剰なまでに現代日本の文化が衰退する衰退するといふ悲観論が展開されていますが、私が思ふに、現代日本のメインカルチャーからポップカルチャーにまで、宮澤賢治が與へている影響は廣大かつ甚大です。
私の世代が子供の頃に大きな影響を受けたマンガ・アニメ・ゲームをもじって、自分の中で「ドラ・ドラ・ドラ」と呼んでいる三作品があります。『ドラえもん』『ドラゴンボール』『ドラゴンクエスト』です。『ドラえもん』には、『大長編ドラえもん のび太と銀河超特急』といふシリーズ作品があります。『ドラゴンクエスト』(Ⅸ)にも、「天の箱舟」といふ空飛ぶ機関車が登場します。これらは、明らかに宮澤賢治の『銀河鐡道の夜』に影響を受けてゐます。また、『銀河鐡道の夜』と『ドラゴンボール』そのものとは関係ありませんが、アニメ版における主人公「孫悟空」役の声優「野沢雅子さん」の、皆がその声を聴いてイメージする役柄の代表は、それが『ドラゴンボール』の「孫悟空」になる前は、『銀河鉄道999』の「星野鉄郎」だったと思ひます。
スタジオジブリ作品にも、宮澤賢治的なモチーフはそこかしこに顔を出しています。『となりのトトロ』『千と千尋の神隠し』、『コクリコ坂から』
久石譲
富田勲・初音ミク
宮澤賢治を抜きにして吉本隆明を論じることはできない
日本で最も知られた「口語自由詩」=雨ニモマケズ、
(春と修羅序、永訣の朝も 有名)
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にもかからわず
宮澤賢治を無視・黙殺
「伝統」と言いながら「本覚思想」に全く注目しない
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①宮澤賢治
②西田幾多郎(と鈴木大拙)
③柳宗悦(と民藝運動:濱田庄司、河井寛次郎、棟方志功、バーナード・リーチ)
セゾン・グループ 無印 ファミマ ロフト
糸井重里(1948) ほぼ日 任天堂
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「団塊の世代」が背負わなかった何か
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岩田聡(1959) パソコン→ファミコン iPhone→Wii
庵野秀明(1960) ハリウッド→シン・ゴジラ シン・エヴァンゲリオン
村上隆(1962) アブストラクト→スーパーフラット
自分が考えてきたこと
舊かな舊漢字
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マンガ・アニメ・ゲーム
司馬遼太郎自体が、「伝統の創造力」をもってゐた
→特に新選組関係
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『鬼滅の刃』に感じる、宮澤賢治的なもの
鬼殺隊≒司馬遼太郎的・鬼≒山田風太郎的(NARUTOから通じる)
普遍の日本
「下部構造:ヤポネシア→(中間領域:舊かな舊漢字)→上部構造:ゲーム文化」
①傳統の創造力(傳統がもつ創造する力)
閉塞を日本が突破→海外が模倣(→日本がまたその影響を受ける)
②傳統の創造力(傳統そのものを創造する力)
機械都市の中に民族文化を傳承
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鎌倉室町時代に創造された傳統「能狂言・百人一首・水墨畫」
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江戸時代に創造された傳統「歌舞伎・俳句・浮世繪」
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昭和後期に創造された新ジャンル「ゲーム・カラオケ・マンガ(アニメ)」
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短歌・俳句×カラオケ=季節
水墨畫・浮世繪×マンガ(アニメ)=風景
能狂言・歌舞伎×TV…ゲーム=物語
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